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2022.10.17

お客様から教えていただいたこと – 地域のお客様に信頼いただくために

こんにちは。「たたみの松本」副社長の今井キヨです。大正10年に創業した“たたみの松本”はお客様のライフスタイルに適応しながら、創業から100年を超えた現在に至るまでやってきました。

これまでに個人宅や居酒屋、ホテル、時には大手企業や行政など、さまざまなお客様からご依頼いただいています。振り返ってみると、私たちが今日まで事業を継続できた理由は、地域のお客様からの信頼を得られているからではないかと感じます。

このように感じられるのは私たちが、目の前のお客様と向き合うことを大切にしながらやって来たからこそだと思っています。そこで第3回目の『松本のたたみ通信』では、私たちがお客様と向き合う中で印象に残っているエピソードについて、少しだけ紹介させていただきます。

100年も経営しておりますと、さまざまなお客様と関わるようになり、良いこともあれば大変なこともありました。私たちが畳の価値を提供する中でどのようにお客様と向き合っているのかを、ぜひ知っていただければと思います。

 

高級ホテルの畳1,000帖をクレーン車を使って3日間で搬入



当社にご依頼いただいているお客様は個人宅から大手企業や自治体まで、規模はさまざまです。そして、お客様の要望は十人十色で、それに応えられるようにサービスを提供しなければいけません。
 
規模に比例して労力は大きくなるものですが、特に大変だったのが、日光の高級ホテルで1,000帖もの畳を搬入したときです。大変だった理由は1,000帖という枚数だけでなく、搬入期間が3日間と短時間だったことです。また、ホテルのオープンが5月頃を予定していたこともあり、納入日はまだ雪の残る3月のことでした。
 
通常であれば1,000帖を搬入する場合は、1ヶ月程度はかかる分量です。さらに雪の残る季節で「いろは坂(※)は降りられないし…」という厳しい条件の案件でした。
 
とはいえ、オープン日が決まっている以上は納入日はずらせないので、遂行する方法を考えなければいけません。そこで高校生のアルバイトに手伝ってもらうだけでなく、搬入にご協力いただいた建設会社さんに相談して、畳をクレーンで上げてもらいました。普通は畳の搬入にクレーンを使うことはありません。
 
※いろは坂
日光市街地と中禅寺湖・奥日光を結ぶ道路。坂道が続く上に急カーブも多いので、降雪時の移動は非常に大変。
 
私たちはお客様からの信頼を得るために、要望に応えられるようにできる方法を模索するという姿勢が大切だと考えています。日光での案件は搬入期間や季節などの条件が厳しく、どうやったら遂行できるのか非常に悩んだものですから、20年経った今でも鮮明に覚えています。

 

安全に作業しなければいけないと教えられた、トラック転倒事故



お客様に安心して依頼していただくために、当社は安全性に気を遣って作業することを徹底しています。特に安全性に気を遣うようになった出来事は、過去に当社がトラックに畳を積み過ぎて転倒事故を起こしてしまったことがあるからです。
 
当時の運転手はハタチくらいの男性で、まだトラックの運転が不慣れな状況でした。荷台に一杯の畳を積んで移動した結果、カーブを曲がり切れずにトラックの横転事故を起こしてしまいました。
 
周辺に通行人がいなかったことと、運転手本人に大きなケガがなかったことが、不幸中の幸いです。しかし、一歩間違えれば尊い命が失われていたかもしれないことを考えると、積載量には気をつけなければいけないと思わされた事故でした。
 
実際に少しでも多くの畳をトラックに積めれば、お客様のところへ向かう回数が少なくなり、仕事を効率よく進められます。しかし、どれだけ効率よく進めても事故を起こしてしまっては本末転倒です。
 
当社では当時の横転事故を教訓にして、今では安全第一に、無理な積載をせずにお客様のところへ向かうようにしています。

 

お客様のクレームから活かした教訓



私が株式会社松本の業務に携わって30年も経ちますが、長く関わるほどお客様からクレームをいただく機会は多くなります。
 
少し最近の話になりますが、刑務所関連の施設の畳を納品するのに、茶髪の男性を1人で向かわせたことがありました。しかし、畳屋さんというと「身なりがしっかりしていて真面目そうな人が来る」というイメージを持っていたのか、先方からは「大丈夫なんですか?」と不安を持たせてしまいました。

このときに、お客様のところへ入るときは服装や身だしなみをきちんとしなくてはいけないのだと、改めて感じさせられました。
 
もう1つ、いただいたクレームの中で印象に残っていることが、お客様への説明不足により発生した事案でした。個人宅の方で、クレームの原因は納品後に重い家具を載せて凹んでしまったことです。
 
お客様のお怒りが収まらなかったものですから、工場長および作業に携わったスタッフ全員で、お宅への謝罪に出向いたくらいです。
 
「重い物を載せれば畳は凹む」私たちにとって当たり前のことでも、お客様にはきちんと説明しなければいけないのだと教訓になりました。今では当時の出来事を教訓に、畳を導入するメリット・デメリットをきちんとお話した上で、お客様に提案させていただいております。
 
当社としては畳を通してお客様に満足してもらうために最大限に気を遣っていますが、それでもクレームに繋がってしまうことはあるでしょう。しかし、クレームをいただけるということはお客様からの「この業者はちゃんとやってくれるから」の裏付けでもあります。
 
そのため、いただいたクレームは私たちの悪い点を改善するチャンスだと捉えて、次のお客様が満足してもらえるように心がけております。

 

選んでいただけている理由は「お客様への対応がきちんとしていること」



事業をしているとお客様からクレームをいただくことはありますが、それを上回るくらいのお褒めの言葉もいただきました。特にいただくことが多いお褒めの言葉は、当社スタッフのお客様対応に関することです。
 
「部屋に上がる時にきちんと靴を揃えるのはよかった」
「丁寧に最後までやってくれて関心した」
「畳を納品後に1帖ずつ拭き掃除をしてくれて気持ちよかった」
 
中には電話口でお褒めいただいたお客様もいたくらいです。
 
畳の性能自体は、恐らく他社さんとほとんど差はありません。しかし、お客様が当社を選んでいただけている理由は、スタッフがしっかり対応しているからだと思っています。
 
当社スタッフの対応については第2回「たたみの松本の強みとは – 長く、多くのお客様とお付き合いをしている理由-」でも紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

 

大規模案件にも対応できることが当社の強み



地域のお客様に選んでもらうためには、当社ならではの強みがあるからだと思います。
 
当社の強みはスタッフの対応力であることに加え、大規模案件に対応できることだと考えています。大規模な案件は冒頭の「日光のホテルで1,000帖もの畳を納品した件」だけではありません。
 
数年前には1,000軒以上もある「雇用促進住宅」と呼ばれる、雇用された外国人向け住居の畳を、3年以上かけて対応させていただきました。
 
しかし、大規模な案件を受注するためには資格や従業員数など、さまざまな条件があります。当社では建築許可証を取得しているのですが、畳屋さんで持っている業者はかなり稀です。
 
また、当社には頼れるスタッフが2022年8月現在で12名いることも、大規模案件を受ける上で有利に働いています。多くの畳屋さんは1~2人の小規模事業者であるため、1,000帖や1,000軒といった大規模な案件には対応できません。
 
建築許可証を保有していること、そして畳屋さんにしては頼れるスタッフが多いことが、大規模案件にも対応できる要素と言えます。


 

創業から100年に渡って事業を継続できた秘訣



1921年に創業したたたみの松本が、100年以上に渡って事業を継続できた秘訣は「今日まで畳業界を支えてきた」という自負を持っているからです。
 
当社の歴史をさかのぼると、2代目社長の今井五郎は業界全体の向上を目指して「全日本畳組合連合会」を結成しました。他にもさまざまな功績を残していることから、今井五郎が畳業界を牽引したと言っても過言ではありません。
 
先人のフィロソフィーを継承するように、当社では昔から今でも畳業界を支えているという誇りを、従業員一人一人が持っています。
 
今井五郎の功績については「たたみの松本とは」にて詳しく紹介しておりますので、ぜひご一読いただければと思います。
 
そして、私たちが持つ「業界を支えている」という使命は、次の後継者へ引き継がなければなりません。私自身、たたみの松本に従事するようになってからは「父の後を継ぐ」だけでなく「父を超えたい」の一心で、今日まで取り組んできました。
 
「畳」という素晴らしい日本文化を廃らせないために、次の後継者へしっかりバトンタッチしていくことが、私の役割だと考えています。


 

住宅スタイルが変わっても畳の魅力を感じてもらう



畳会社としてお客様に寄り添うためには、ライフスタイルに合わせたご提案をできるようになる必要があると考えています。
 
大正時代に創業してから昭和・平成・令和と時代の変化とともに、住宅スタイルは大きく変わりました。特に私たちにとって避けて通れない事象が、少子高齢化による在宅介護の増加です。
 
在宅介護が当たり前になりつつある昨今、畳は現場で大きな役割を果たします。てしまうと、大きなケガに繋がるかもしれません。
 
例えば要介護者が転んだりベッドから転落したりしたとしても、畳であれば衝撃を吸収してくれて、ケガの防止に繋がる可能性があります。
 
また、近年では消毒が可能な素材を取り入れている畳もあるので、仮に失禁してしまったとしても問題なく掃除できます。
 
もちろん、介護現場だけでなく育児においても、畳は非常に有能な床材です。乳幼児にとって畳は非常に寝転がりやすい素材でできており、さらにカーペットと違ってアレルギーの心配がありません。
 
多くの方は恐らく、畳のことを「日本文化の1つ」として捉えられていると思います。しかし、畳には文化的側面だけでなく要介護者をケガから守ったり、乳幼児を伸び伸びと育てられたりと機能的なメリットもあります。
 
今日まで畳の松本は、100年に渡って地域の方に支えられながら事業を継続できました。今後はお客様により畳の価値を感じてもらうために、人々のライフスタイルに沿った「畳のある生活」のご提案を目指します。
 
畳をご用命の際は、ぜひたたみの松本までお待ちしております。